証券会社のトレーディングフロアを18時間で移設せよ

プロフィール

河口 隆太郎
2001年入社。移設プロジェクト当時は証券ITサポート事業部。アカウントマネージャーとして先方のIT部門とユーザー部門との橋渡しや交渉を行う。
大野 政彦
2001年入社。プロジェクト当時は基盤構築事業部。通常はインフラの構築を行っているが、サーバー移設を多く手がけた経験を評価され、今回のプロジェクトマネージャーに。

移設当日の作業フロー

失敗は決して許されない基幹システムの移設

ITインフラも含めたオフィス移設。業務に必要なシステムを滞りなく移設するためには、システムやネットワークに対する高度な知識が求められる。特にお客様が金融機関の場合、万が一遅れや不具合が生じた際の影響は計り知れない。
2012年、大手証券会社において、業務の中枢であるトレーディングフロアの移設プロジェクトを受託した、業務推進部の河口隆太郎と証券ITサポート事業部の大野政彦。「規模の大きさだけでなく、システムの特殊性があるため、難易度は高かった」と語る移設プロジェクトの裏側を聞いた。

その日に向かって、1年前から計画が動き始める

建物の老朽化に伴うフロアの移設計画が動き始めたのは約1年前。河口たちは事前に情報を収集し、準備を行った。受託決定後は、お客様の担当者と打合せを重ねる日々が続く。
「トレーダーの方々がいかに仕事しやすい環境を作るかが重要でした。モニターの位置や角度、そこに表示させる内容など、一人ひとり違う環境を再現することが求められました」と河口は語る。
また、デスクの小型化やPC設置数の制限などもあり、約580席、1000台を超える端末の環境について、トレーダー一人ひとりにヒアリングと説明を行った。「説明にあたっては、立面図を描いて、デスク上のレイアウトがひと目で分かるように。途中で変更が入っても柔軟に対応できるようシステム化しました」(河口)

タイムリミットは18時間、80人体制で作業にあたる

移設後の稼働検証に時間がかかるため、当日は作業開始18時間後の引き渡しが条件となった。プロジェクトマネージャーとして現場の指揮を担当した大野は振り返る。
「時間がないので、移設する端末数とスタッフひとりが作業できる数から必要な人員を割り出し、現場の動きを想像しながら人員を配置しました」。そして作業フェーズごとに約50~80名のスタッフを逐次投入。「作業指示書を図で描いて、文字を極力減らすことで、誰にでも分かるように工夫しました」と現場での作業ミスを予防した。
「当日は、金曜の夕方から取り外しを行い、夜を徹して設備を移動して設置。翌朝から組み立てを行いました」。現場ではリーダーに無線のヘッドセットを配布し、作業の進捗をリアルタイムで共有して人員をコントロール。そして翌日の昼には、無事引き渡しを完了することができた。

事前の準備が99%を占める

限られた時間のなかで、高い次元の要求に応えた移設プロジェクト。当日の作業を振り返って、河口と大野のふたりは「完璧だった」と胸を張る。成功の要因は何だったのか。 「準備とコミュニケーションです。お客様と距離が開いた途端に、話が食い違ったりしますから、密な連携が欠かせませんでした」(河口)
「99%は準備。それまでに掛けた時間もそうですし、事前に作業手順を図にまとめて、当日の作業を簡略化できたのも効果的でした」(大野)
移設が無事完了したことを受け、お客様から感謝状が授与されることとなった。特に「顧客リレーション」「チームプレー」「品質」が評価されてのことだった。
現在トレーディングフロアは、iテックの別チームがシステムの維持・管理を行っている。河口は、「時々フロアがテレビに映ることがあるんですが、それを見る度に自分たちが作ったんだなとうれしくなります」と満足そうに笑った。

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